スナネコ

スナネコの飼育は難しい?家で飼える?

スナネコの飼育は難しい?家で飼える?
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近年、「スナネコ」という動物の名前を耳にすることが多くなり、一度は聞いたことがあるという方もたくさんいらっしゃるのではないかと思います。

「スナネコ」について調べてみると、クリーム色の被毛に大きいお耳が特徴のとっても可愛らしい猫ちゃんの写真がたくさん!!

しかもスナネコはネコ科の動物の中でも最小サイズで、可愛い要素てんこ盛り!

画像一枚でスナネコの虜になってしまいますよね。

そんな愛くるしいスナネコを自宅で飼いたい!!という方が現れてもおかしくないのですが、実際、スナネコは家で飼えるのか気になりませんか?

飼育が簡単なのか難しいのかによって、家で飼えるかどうかも変わってきそうですよね。

ということで今回は、スナネコは家で飼えるのかどうか、また飼育はどれくらい難しいのかについてご紹介していきます。

現状、スナネコのニュースの出どころは大抵が動物園からとなっていて、一般の人がスナネコを飼っているというようなニュースはありませんし、実際のところはどうなっているのかも気になります。

スナネコを育ててみたいと思っている方はぜひこの記事を最後までご覧くださいね。

それでは見ていきましょう。

 

スナネコの飼育は難しい?


それでは、スナネコの飼育は難しいのかどうかについて見ていこうと思います。

ここ数年で話題になったのは、那須どうぶつ王国や神戸どうぶつ王国のスナネコたち。

那須どうぶつ王国にやってきたスナネコのジャミールちゃんとシャリフくんの間に、娘のアミーラちゃんが産まれたことで大きなニュースになりました。

筆者もネコが大好きなので、その時のニュースはよく覚えています。

しかし嬉しい誕生とともに注目されたのは、スナネコは日本での飼育事例がそれまでなかったことです。

海外でも飼育されていた事例は少なく、動物園の職員の方も手探り状態だったというコメントも発表されていました。

スナネコの飼育はどれくらい難しいのでしょうか?

 

スナネコは野生動物で凶暴?

スナネコは体長39cm~57cmで体重約2~3kgにしかならず、その愛らしいサイズやネコらしい仕草から「砂漠の天使」とも呼ばれています。

幅広のお顔に大きな耳と目も特徴的で、誰が見ても「かわいい!!」と声を上げてしまう魅力を持っていますよね。

しかしながら、実はスナネコの性格はとても気性が荒く獰猛なのです。

それに加えて、野生種であり、人工的に飼育される機会も少ないため人に慣れることもありません。

そのため、飼育が難しいか簡単か、と聞かれれば当然「難しい」ということになります。

実は、先ほど紹介したスナネコのカップル・ジャミールちゃんとシャリフくん。

この2人の間にはアミーラちゃん以外にも2匹のきょうだい達が誕生していました。

しかし母親のジャミールちゃんは初めての子育てで、赤ちゃん達を暖める事を放棄してしまい、最終的に育ったのはアミーラちゃんだけになってしまったという背景もあるんです。

スナネコの生態についてまだまだわかっていないことも多いことや、人工飼育が日本で初だったということもあり、動物園の飼育員さん達も試行錯誤しながらスナネコ達のお世話をしています。

動物のプロである飼育員さん達も悩みながら育てているという状況ですので、スナネコの飼育は「難しい」と言わざるを得ないでしょう。

 

スナネコ家で飼える?


スナネコが家で飼えるかどうか、結論から言うと飼うことはできません。

その理由をご説明していきますね。

スナネコは気性が荒くて飼えない?

先ほどもご説明したように、スナネコの性格はとても気性が荒く獰猛で、人に慣れることがないということが一番の理由として挙げられます。

見た目だけ見ると、ペットショップで見かける猫ちゃんたちと全く同じ。

ですが、イエネコと決定的に違う点は「人と暮らす」習慣が根付いていない点です。

イエネコはその祖先であるリビアヤマネコの時から、古代エジプトでペットとして飼育されてきた歴史があり、人と暮らすということが本能的にできるようになっています。

しかしながらスナネコは違います。

自然の中でしか暮らしたことのないスナネコには、人と暮らすことはそもそもできないのです。

もし可愛いからと自宅に迎えても威嚇され、低い声で唸られるだけとなってしまうでしょう。

ひどい時には攻撃され、怪我をしてしまうかもしれません。

それでもいいと思えるでしょうか?

スナネコが寿命を迎えるまで、その生活ができるでしょうか?

攻撃をするからといって動物を無闇に捨てたり手放すことは許されません。

野生種の動物は人と暮らすことはできないということを覚えておきましょう。

 

スナネコは絶滅危惧種?

スナネコはかつて「準絶滅危惧種」に指定されていた生き物でした。

その理由は主に生息地の破壊によるもの。

環境破壊はもちろん、生息地となっているアフリカの地域での内戦や紛争で餌が得られないこと、動物用の罠にかかってしまうことや、人間によって持ち込まれたイヌに捕食されたり、他のネコからの感染症などが原因とされています。

実際にイエメンやイスラエルでは絶滅したと考えられており、他の地域でも目撃例が何十年も確認されていないところもあります。

近年は保護団体の活動により頭数は回復してきていて、現在レッドリストでは「軽度懸念」となっていますが、まだまだ油断はできない状況です。

 

スナネコが密猟されるリスクもある

スナネコの数が減ってしまった原因として、ハンティングの目標にされてしまったり、ペットにするために違法に捕まえることが増加していたことも考えられます。

実際、悪徳業者が偽造文書を使ってスナネコを密輸し、検疫所によって最終的に殺処分となってしまった事例も日本で確認されています。

ペットブームにより大きく頭数を減らしてしまった動物として、コツメカワウソが挙げられます。

悪徳業者によりたくさんのコツメカワウソが劣悪な環境に置かれ死んでしまったり、密猟などで自然で生きるコツメカワウソ達の頭数が減ってしまってはやがて絶滅のリスクに晒されることにも繋がります。

スナネコを悲しい目に遭わせないためにも、スナネコを飼いたいという気持ちはそっと胸に秘めておき、動物園で観察して楽しむことに留めておきましょうね。

 

まとめ


今回はスナネコの飼育は難しいのか、そして家で飼えるのかどうかについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

スナネコは日本での飼育事例が無く、動物園の飼育員さん達も試行錯誤しながら行っている状態。

それに人に懐かず、獰猛な性格をしているということからも飼育は「難しい」と考えて間違いありません。

見た目はイエネコと変わらず、愛くるしい姿をしていて、ついつい家で飼いたいと思ってしまうかもしれませんが、家でスナネコを飼うことはできません。

イエネコと違い人と暮らす習慣がないことや、スナネコの頭数がまだまだ少ないということが理由として挙げられます。

ペットブームに乗っかってしまう悪徳業者のせいで密輸が増えては本末転倒です。

スナネコを飼いたいと思うその気持ちは。ぜひスナネコの保護団体へ向けてみてはいかがでしょうか。

以上、「スナネコの飼育は難しい?家で飼える?」でした。